もしくは白い魔王なのは様

本日未明、機動6課の隊員TさんがN教官に完膚なきまでに撃墜されるという衝撃的な事件が発生しました。現場から目撃者の証言をお伝えします。
友人Sの証言「えと、彼女は悪い子じゃないんです。ただちょっと焦ってたんだと思います。それで訓練内容を無視してあんなことを。手伝ったあたしも同罪ですけど。でも、普段温厚な人なんでちょっときつく怒られる程度だとタカをくくってました。それがとんでもない間違いだったと気付いたときにはもう……」
同僚Eの証言「えっと……最初は普通の模擬戦だったんです。その最中、彼女が訓練でやっていたのとは違う動きをして。えー、銃剣っていうんですか? とにかく接近戦ですね。後方支援型の彼女がですよ。それでSさんの攻撃を受け止めるのに集中していたあの人の死角をついて攻撃しようとしたみたいなんですね。でも、あの人はそれに気付いたんです。そして、突然デバイスを解除したかと思ったら次の瞬間には、その。受け止めていたんです、二人分の攻撃を。バリアもシールドも張らずに。ええ、素手でです。多少血は出ていたみたいですけど、殆どダメージはないみたいでした」
同僚Cの証言「それからはあっという間でした。訓練内容を無視して勝手な判断で勝手な戦法を取ったことが逆鱗に触れたみたいでした。彼女も抵抗したんですけれど、実力差は圧倒的で気がついたときには撃墜されていました。感情を押し殺した顔で、本当に冷酷に。あの人のあんな表情は初めて見ました」
再び友人S「恐ろしいのは、あの人はバスターもブレイカーも使ってないんです。片手で放てるような魔法で、しかもあたしにバインドをかけたままで。格が違うっていうのはこういうことなんだと思いました。一部であの人のことが白い悪魔と呼ばれているのは知ってました。今まではそんな大げさな、なんて思ってたんですけれど、今日その意味を身をもって知りました。普段は温厚な人だけに、とても……とても怖かったです」
被害者Tの証言「白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い白い悪魔怖い」