ほほえみの猫曜日

ある屋敷で殺人事件が発生しました。
現場には探偵と容疑者5人がいます。このうち一人は犯人で、疑われないように嘘をつきます。
また、一人は犯人の正体に気付いており、犯人をかばって嘘の証言をします。
犯人と犯人を庇っている人以外は真実を話します。
犯人は犯行時刻に誰とも一緒にいませんでした。
犯人以外は必ずしも犯行時刻に誰かと一緒であったとは限りません。
犯行時刻のアリバイについての証言は以下の通りです。

容疑者Aの証言:Bと一緒におり、他の誰とも一緒にいなかった
容疑者Bの証言:Aと一緒におり、他の誰とも一緒にいなかった
容疑者Cの証言:A、Eと一緒におり、他の誰とも一緒にいなかった
容疑者Dの証言:Cと一緒におり、他の誰とも一緒にいなかった
容疑者Eの証言:ずっと一人でおり、誰とも一緒にいなかった

5人の証言を聞き終えた探偵はこう言いました。「君達の中に二人、嘘つきがいる!」
 
さて、犯人は誰で、犯人を庇っているのは誰でしょう?
 
 
 
 
回答。
まず、犯人も犯人を庇っている人も嘘つきであるということ。それ以外は真実を語る正直者であるということ。ゆえに、まずは丁度二人いる嘘つきを見つけます。
AとC、CとD、CとEの証言がそれぞれ矛盾しているので、この中に最低一人嘘つきがいることになります。
Cが正直者だと仮定すると、A、D、Eの3人の証言と矛盾するため、嘘つきは3人になってしまいます。嘘つきは二人しかいないという条件に矛盾するので、Cは正直者ではない=嘘つきであると確定します。
次に、もう一人の嘘つきを探します。A、Bはお互いに一緒にいたと証言しているため、どちらかが嘘つきであると仮定するともう片方も自動的に嘘つきになり、嘘つきが3人になってしまいます。よって、A、Bどちらも嘘つきではないと言えます。
Dが嘘つきであると仮定すると、証言の内容からDは「Cとは一緒におらず、他の誰かと一緒にいた」ことになります。しかし、他の3人の誰もDと一緒にいたとは証言しておらず、3人とも真実を語っているならば仮定と矛盾することになります。よってDは嘘つきではありません。
Eが嘘つきであると仮定すると、証言の内容からEは「一人ではおらず、誰かと一緒にいた」ことになります。CはEと一緒にいたと証言していますがCは嘘つきなので実際にはEとは一緒にいなかったことになります。また、A、B、DはEと一緒にいたと証言しておらず、3人が真実を語っているならば仮定と矛盾することになります。よってEは嘘つきではありません。
以上から、容疑者の中で嘘を付いているのはCだけということになります。また、Dの証言は真実なのでCはDと一緒にいたことになり、Cは犯人でなく犯人を庇っている人ということになります。さて、では犯人は誰なのか。注目すべきは問題文のこの部分です。

現場には探偵と容疑者5人がいます。このうち一人は犯人で、疑われないように嘘をつきます。

はい、容疑者の中に犯人がいるとは一言も言っていませんね。
ここまで言えばわかるでしょう。この現場に、犯行時刻に誰とも一緒におらず、かつ「容疑者のうち二人が嘘をついている」という嘘をついた人物がいます。そう、それはズバリ……探偵です。
よって正解は

犯人:探偵
犯人を庇っている人:容疑者C

となります。