君と二人で〜ある新米鍛冶師の場合〜

runguard2007-09-17

時々思い立って家の周りを自分の足で散歩してみる度、新たな発見をする。それはこれまでずっと住んでいたのに気付いていなかった、小さな道であったり、建物であったり、景色であったり。あるいは知っていた筈のモノでも、いつの間にかその姿を変えていたことに気付いたり。一方で、記憶にあるかつての姿と変わらないものもあったり。しかし、変わっていないようでいても、何もかも全てが変わっていないなんてことはない。それは自分との相対的な大きさであったり、その時の心境から来る主観的な印象であったり。こんなにも狭い世界の中で、知らないもの、知っていた筈なのに変わってしまったもの。そもそもにして自分の家の中ですら、かつての姿からは大きく様変わりしているし、いまだその全貌も完全には知りえていない。自分が知ろうが知るまいが世界はそこに存在しその時間は、確実に進んでいる。それを観察する自分自身は果たして、確かにここに存在し、同じ速度で時間が流れられているのだろうか。